
大学の微分積分の勉強法(独学法)
作成日時: | 2019年10月1日(火) 18時12分 |
更新日時: | 2019年11月1日(金) 15時13分 |
余談
僕は大学を約1年で中退し、実質通ったのは半年くらいだったので、大学数学は大学ではほとんど学びませんでした。中退後、しばらく数学からは離れていたのですが、もともと興味のあった人工知能(主にディープラーニング)について学んでいくうちにどうしても大学レベルの微積分の知識が必要になり独学を始めました。
ちゃんとした本から入ると挫折する
まず最初に書店に行って一番ちゃんとしてそうな教科書を買いました。このとき買ったのが「齋藤正彦 微分積分学」です。
しかしこれは大失敗でした。
あまりに難しすぎ、挫折してしばらく数学から離れることになってしまいました。
これは大事なことですが、厳格で格式高いちゃんとした本から入門すると挫折します。
まずは図が多く、行間の狭い(式変形が容易に追える)マセマなどの本で入門することをオススメします。
おすすめの独学法
先程述べたように一番最初におすすめの本は断然マセマの「微分積分 キャンパス・ゼミ」です。基本的にこの本を主軸に勉強を進めていくと挫折しにくいと思います。
また、他のおすすめの教材として、本ではないのですがYouTubeで公開されている筑波大学の照井先生の講義がとても分かりやすいです。
以下に微分積分の再生リストのリンクを貼っておきます。(※これらは無料で見れます)
微積分I
微積分II
分かりやすいとはいえ講義は聞いているだけだと眠くなるのが宿命なので、ノートを取って眠気を防止するのがおすすめです。
ノートを取っておけば後で見返す際に便利です。
おすすめの独学法としては、マセマと照井先生の講義を並行で進めていくのが最善だと思います。
大学の微分積分の内容に関する簡単な説明
ε-N論法、ε-δ論法
マセマの微分積分にも冒頭から出てくるε-N論法、ε-δ論法は、高校数学の極限の厳密な定義です。高校数学で「かぎりなく近づく」などといった曖昧だった表現を厳密に定義します。
多くの大学生がこれらの論法を理解できずに脱落するらしいですが、正直、これらの論法が分からなくても微分積分は理解できます。
また、少なくとも僕の知っている範囲ではε-N論法、ε-δ論法を理解していなくても線形代数や、確率統計、複素関数、微分方程式などの分野の理解に支障は出ません。
ただ、論法に使われる記号の理解の練習としては良いので、どうしても理解したい人は「イプシロン・デルタ論法 完全攻略」という本をおすすめします。
ロピタルの定理
簡単に言うと極限を簡単に求める裏技です。高校生でも知っている人は知っていて受験でズルをしている。ちなみに僕は知らなかった・・・
テイラー展開・マクローリン展開
逆にこれは重要で、確率統計や複素関数の分野でも利用します。簡単に言うと関数の近似式を求めること。また、無限和にすることで一部の関数を完全に表すことができます。
積分
特に新しい技法は出てきませんが、逆三角関数を使った公式が追加されます。2変数関数の微分
これが人工知能(特にディープラーニング)の学習に最も大事です!!!また、2つ以上の変数を持つ関数という新しい概念を理解する必要があります。
僕は2変数関数の微分については、マセマだけでは理解できなかったので「キーポイント多変数の微分積分」という本を買いました。
この本を最初から3分の1くらい読めば多変数関数について大体理解できると思います。図も多く分かりやすいです。
2変数関数の重積分
これも間接的に人工知能と関わります。2変数関数の重積分は確率統計の学習に必須の知識で、人工知能は統計的知識が必要になるからです。